2013年11月25日月曜日

【絵本】『りんごかもしれない』/世界がブワwって広がる

"あるひ がっこうから かえってくると・・・・・ テーブルの上にリンゴが置いてあった。・・・・・でも・・・・もしかしたら これは リンゴじゃないかもしれない"

りんごかもしれない
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ブロンズ新社から最近出た絵本。facebookで宣伝していた。


やばい。ktkr。


おもしろい。


何気ない日常が、一気にブワーって広がる。


大人が見て面白い。


イラストもいい。


僕は図書館で借りたけど、ちょっと買いたくなった。



内容的には、うちの子(4歳児)にはちょっと早いかなwっと思っていた。

この絵本は、漫画的というか、1ページが複数のコマに分かれている。

1ページに複数コマがわかれていると、読み聞かせるとき、「今この部分を読んでいるよw」っ指さしながら読まないといけない。

たぶんこの本は、小学生以上を対象にしているんじゃないかな?


だから、まだ早いかなと思っていたんだけど、気が付いたら子どもが一人でじーっとイラストを見つめていた。


やっぱり、イラストがいいんだろうな。


そして、なんか不思議で面白いんだろうな。




よかった。

ほしい。

2013年11月21日木曜日

『街場のメディア論』/わけのわからないものに魅力を感じること

久々のブログ。

いつも、何か書こう書こうと思っていざ書きだすと、あれもこれも盛り込んで、結局収拾がつかなくなって、中途半端で投げ出すというのが続いていた。
(下書きだけ書いて、投稿しなかったものが100個以上ある・・・)

これではいかんと思って、これからは、もっとさらっとブログを書こうと思う。

んで、読書感想文。


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内田 樹
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また、内田樹。



全体としては、わかるような気がする。


ただ、そうはいっても、人はおまんま食べていかないといけないわけで、なかなか内田先生みたいにデーンと構えていられないところはあると思う。


僕が面白いと思ったのは、最後の方にあった、人間の「わけのわからないものを自分への贈り物だと勘違いする能力」のところ。

うん。

これはよくわかる。



うちの子どもも、保育園の帰り道に毎日のように木の棒やらどんぐりやら松ぼっくりやらを拾って帰ってくる。


おかげで、車の中がものすごく汚くなる。


あと、ちょっと暖かくなったら、どんぐりから変な虫が出てきて気持ち悪い。


「お父さんこれ持っといて」といって、ポケットの中にどんぐりとか石とか入れてきて、そのまま忘れてしまう(リスか?)。

そして僕も忘れてそのまま洗濯してしまう。


まぁ、それはいいや。


この、「勘違い能力」は本能的なものなんだろう。

そして、子どもはその能力が高い。

大人になると、衰えるのかもしれない。

だから「子どもの時にだけ、あなたに訪れる不思議な出会い」なんだろう。




大人になっても、この能力が高いのはきっと、どぶろっく。

もしかしてだけど
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おわり。

2013年9月20日金曜日

『だいくとおにろく』/鬼とは大工自身ではないだろうか

図書館で『だいくとおにろく』を借りた。

大好きな絵本の一つ。

北欧の民話が元ネタだとか。

よい物語は示唆に富んでいる(何回もいっているけど)。

『だいくとおにろく』も、読むたびに(と言うのは少し大げさだけど)新しい発見がある。

今回読んで、感じたことを備忘録的に記録しておく。


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この物語に出てくる「鬼」は「川の化身」と思っていた。


だけど、ふと思った。



「鬼」とは、大工自身ではないだろうか。


人間の中にある、未知の領域。


自分でも制御できない潜在意識。



荒々しい川にも耐える橋を創るようなすごい力を持つ一方で、鬼のように恐ろしい部分。


そういうものを具現化した存在ではないだろうか。


橋を創る力は、もともと大工に備わっていたんじゃないだろうか。


大工自身がそれに気づいていないだけで。





そして、鬼は大工自身が抱える恐怖でもあると思う。


自分の中にありながら、コントロールできない未知の力に対する恐怖。


人が恐怖に退治した時、二つの選択を迫られる。


ひとつは、恐ろしいものから目をそらすこと。すなわち目玉を差し出すこと。

若しくは、恐怖の正体を見極めること。すなわち鬼の名前を言い当てること。



人間はわけのわからないものが一番恐ろしい。

正体がわかれば、もう怖くない。



そして、恐怖の正体は暗い森の中でしか知ることができない。

たぶん、大工が入っていった森の中は、深層心理の一番深いところなんだと思う。

そして、そこは死の世界の一歩手前なんだと思う。

それくらい、ギリギリのところでしか、鬼の名前を聞くことができない。たぶん。



昔の人は、自分自身の一部を、鬼とか精霊とか、そういうものに切り分けて考えることが上手だったんだと思う。

今の僕らは、「自我」とか「自意識」とかが強すぎて、自分自身は自分自身であると信じすぎてるんじゃないかと思う。

自分自身の中に、自分でもコントロールできないものが存在していることを忘れているんじゃないだろうか。

そういうものに対する、敬意や畏怖の念みたいなものが足りないんじゃないだろうか。


そして、知らず知らずのうちに、鬼に目玉を差し出して、いろんなものを見つめる機会を失っているんじゃないだろうか。


『だいくとおにろく』を久しぶりに見て、そんなことを考えた。



とにかく、『だいくとおにろく』は面白い。

2013年9月18日水曜日

牛河を描いてみた

『1Q84』、『ねじまき鳥クロニクル』に出てくる「牛河」を描いてみた。



小説の登場人物を視覚化するのは野暮だと思いつつも、描いてみたい欲望を抑えられなかった。

とにかく嫌なやつなんだけど、なんとなく憎めない。

とても魅力的な登場人物。



実際、絵にしてみたら、80%位は頭の中のイメージを表現できたかなと思う。

残りの20%くらいはうまく表現できなかった。


せっかく描いたので、ここにUPする。


※イメージを固定化したくない人は見ないでください。




牛河利治
牛河

どうでしょうか。



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2013年9月1日日曜日

ハードカバーのたった一つのいいところ

ハードカバーの本ってあまり好きじゃない。

重いし、かさばる。


でも、本を閉じたときの「パタン」っていう音、あれは好きだ。


読んでるって感じがする。


それだけで、すべてのマイナス面を補って余りある。


文庫本でも、電子書籍でも、あの感覚は味わえない。

2013年8月28日水曜日

おじいさんの鬼退治

むかし、むかし

あるところに、おじいさんと おばあさんが おりました。


ある日、おじいさんは山へ芝刈りに行きました。

おばあさんは川へ洗濯へ行きました。


おじいさんが山で芝刈りをしていると、突然思いました。


「ええい! やってられるか! わしがやりたいのはこんな事じゃない!


わしには やるべきことがあるんじゃ!」


おじいさんは、その夜 おばあさんにいいました。



「ばあさんや、わしは鬼退治に鬼が島へ行ってくる。

出発はあしたじゃ。

握り飯をたあんと用意してくれ!」


おばあさんは、いいました。

「はいはい、わかりました、おじいさん。

どうか気を付けてくださいね。」




次の日、おばあさんは早起きをしてたくさんの握り飯を作りました。


おじいさんは、旅の支度をしました。

鬼退治のために棒も持ちました。


そして、おばあさんの握り飯をもっていいました。


「それではいってくる」

「ええ、ええ、どうか気を付けて。

決して無理をなさらぬよう。

晩御飯の前に帰ってきてくださいな。」






おじいさんが、鬼退治に行く途中、一匹の犬に会いました。



「これこれ、犬や、犬さんや」

おじいさんは言いました。


「なんだい、おじいさん。」

犬は言いました。


「わしと一緒に鬼退治にいかんかね?」


「ええ! めっそうもない。そんな恐ろしいことはできません」


犬はこわごわと去っていきました。





しばら行くと、おじいさんは猿に会いました。


「これこれ、猿や、猿さんや。わしと一緒に鬼退治に行かんかね?」

とおじいさんは言いました。

「いいけど、何かくれるのかい?」

猿は言いました。


「握り飯なら たくさんあるぞ」


「握り飯ぐらいじゃ いけないな」


猿は去ってしまいました。



さらに進むと、おじいさんは雉にであいました。


「これこれ、雉や、雉さんや。わしと一緒に鬼退治にいかんかね?」


とおじいさんは言いました。


「はっはっは。何おおっしゃる、おじいさん。


よぼよぼのあなたが鬼退治なんてできるわけがないじゃありませんか。

みんな大笑いしていますよ。

はっはっは」


雉は笑いながらいってしまいました。








それでもおじいさんは鬼退治に鬼が島へ向かいました。








鬼が島についたおじいさんは、鬼に向かって言いました。



「やぁやぁやぁ。鬼ども。退治に来たぞ! 覚悟せい!」



鬼たちはその声にびっくりしました。

ところが声の主がたった一人のおじいさんだったので、みんな大笑いしました。



「じいさん、じいさん、わかったから怪我しないうちにおかえりよ」



おじいさんは、持っていた棒で鬼に襲い掛かりました。



「わあ、危ないじいさんだ」


鬼たちは、おじいさんから棒を取り上げました。


そしておじいさんを持ち上げて投げとばしました。

ドスン。

おじいさんは、投げられた拍子にケガをしてしまいました。



これでは鬼退治はできません。


おじいさんは、あきらめてばあさんが待っているおうちに帰りました。





その夜、おばあさんはおじいさんの手当てをしながらいいました。



「ご苦労様でした。この程度のケガで済んでよかったですね」



「あいたたた。。。くやしいのぉ。あと少しだったんだがのぅ。。。くやしいのぅ」



とおじいさんは言いました。



「ケガが治ったらまた行けばいいじゃないですか。鬼退治。


大丈夫。あなたならきっとできますよ。」


そういっておばあさんは優しく微笑みました。


おしまい。

2013年8月21日水曜日

cafe space barvaに行ってきた

先日、大学の同級生が開いた『cafe space barva』というカフェにお邪魔した。


なんというか、素敵カフェでした。


コーヒーもおいしいし。
(コーヒーがおいしいという情報はいろんなブログですでに紹介されている)



【cafe space barvaのHP】http://www.v-dank.com/pg14.html


※これは、カフェに行った感想あるいは日記であって、お店レビューとか紹介とかいう類のものではないです。



僕がこのカフェで感じたのは『親密感』でした。


「ああ、僕はここにいていいんだ」と思える感じです。



いつ、僕が来ても受け入れてもらえるような感覚。


いつでも、僕のことを待っていてくれる(ような気がする)場所。


cafe space barvaは、僕にとってそういう場所でした。



自宅以外に、そいう空間があるということはとても幸せです。

(自宅でさえ、たまに「俺、外したほうがいい?」って思うことはある。)



そういう場所って、なかなか得難いものです。


そういう場所を見つけられた僕はすごくラッキーでした。


また行きたいです。