絶版本『しあわせハンス』を絵本屋さんで発見したので、衝動買い。
グリム
福音館書店
売り上げランキング: 736,834
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あらすじは、わらしべ長者の逆パターン。
ハンスが手にした金塊が馬→牛→豚→ガチョウと、どんどん物々交換されて、最後には何にもなくなってしまう。だけど、ハンスはとても幸せでした、というお話。
息子(五歳児)にこの本を読んであげた第一声は、「よくわからん」だった。
息子は幸せ者だと思う。
この物語が理解できるということは、登場する物の価値について、その良し悪しが判断できるということである。
その価値がどんどん下がっていって、最後にはなくなってしまうが、ハンスは幸せであるというところに教訓がある。(他にも教訓はあると思うけど)
ハンスは、一般的な物の価値にとらわれないからこそ幸せである。
物の価値にとらわれない目で見れば、この物語は「わけがわからない」物語である。
つまり、(欲にとらわれない)幸せ者は、『しあわせハンス』の物語の意味が解らない。
(欲のせいで)幸せになれない者は『しあわせハンス』の物語の意味はよくわかる。
(そこに共感するかどうかは別問題として。そして、物の価値とうまく付き合いながら幸せを感じる人は別として。)
何かを理解できるということは、本当は何にもわかっていないんだということ。
そういうことも世の中にはある。
物欲に負けてこの本を買った僕は、ハンスの幸せには程遠い。