いろいろ思うこと、まだまだ分からないこと、たくさんあるけど、まずは初見で感じたことをメモ。
以下、ネタバレあり。
村上 春樹
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この小説の中では、主人公である「私」は画家である。
画家である「私」は、絵の場面を再現することによって、そこに描かれたメタファーを現実世界におびき出す。
そうすることで、「私」はメタファーの世界へ入っていくことができる。
この原理をそのまま受け入れるのであれば、当然、小説にも同じ原理が成り立つはずである。
つまり、小説を読んでいる我々のすぐそばには、メタファーが潜んでいて、そこには、メタファーの世界へ通じる穴が存在するはずである。
「騎士団長殺し」という絵に描かれた"メタファー"と『騎士団長殺し』という小説に描かれた"メタファー"。
それらが合わせ鏡のように反響しあって、それぞれメタファーが無限に増幅し、混然一体となり、ある一転を超えた時に、ポンと現実世界に飛び出してくる。
小説世界が、現実世界に侵食してきた。
そういう感覚がある。
自分の背後にメタファーの存在をありありと感じることができる。