難しいかと思ったら、意外と読みやすい。
人類史をざっくり把握するための導入編として良いと思う。
(西洋的文明が必ずしも良いという立場ではなく、できるだけ客観的になろうとしている点に共感を持てる。できるだけ客観的になろうとしつつも、「西洋的思考」から抜け出せないジレンマを抱えているところにも共感を持てる。)
まだ途中だけど、本筋とは別のところで面白いと思ったところをメモ。
ジャレド・ダイアモンド
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「人と農作物の関連のところで、どのように農業がはじまったか?」についてのところに、とても興味をひかれた。
植物は普通、種子をばらまく仕掛けを持っている。ばらまく仕掛けを持っているものは、人が採集する前に落ちてしまうので、農業に適さない。人が栽培できるようになったのは、穂が実っても落ちない「突然変異」したものである。
また、自然界では、植物はリスクを分散させるために、種子が落ちても何年か芽が出ない。毎年、目が出てしまうと、異常気象なんかで一気にやられてしまうから。だけど、農業的には、種をまいて何年か待つというのは、非効率だ。だから、農業化された植物は、種をまけばその年に芽が出る、これも「突然変異」したものが選別されている。
とまぁ、農業化には他にもいろんな要因があったみたいだけど、僕が面白いと思ったのは、「自然界ではマイナス面でしかなかった要素が、農業化にとって不可欠な要素であり、結果として植物として繁栄した」という点です。
どんなに劣って見えようとも、何がきっかけでマイナス面がプラスに転じるかわからない。
たとえば、呪いのビデオが出回って、目が見える人がみんな死んでしまったとしても、目が見えないというハンディキャップを持った人が人類という種を存続させてくれるかもしれない。
たとえがあんまりよくないかもしれないけど、たぶん、世界は予測もつかない変化で僕らに挑んでくる。
だから、僕らは真の意味で多様性を尊重しなければならない。
既存のものさしで善し悪しを測ってはいけない。
いつか来るかもしれない世界の転換に備えて、なんとしても生き続けること(あるいは生かし続けること)が大事なんだと、劣等感を抱えるネクラ父さんは勇気づけられました。
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