2012年11月8日木曜日

世界は暗く冷たいブラックボックス

世界は巨大なブラックボックスでできている。

僕が世界に向けてインプットしたものが、世界がどう処理をしてアウトプットしてくるのか、だれにもわからない。

わかるのは、「原因」と「結果」だけ。

だから、僕は注意深く誰かの入出力を観察する。

誰かのインプットをコピーして、世界に入力する。

そして誰かと同じアウトプットを得られると、僕は心から安心する。

「ああ、よかった。間違ってなかった」と。

だけど、僕は恐ろしい。

コピーしているつもりが、実は少し間違っているんじゃないか?

手順が違っているんじゃないか?

条件が違うんじゃないか?

バージョンは?

世界はブラックボックスだ。

些細な違いが命取りになる。

世界は僕がしくじるのを、じっと待っている。

僕がミスをすると、世界は僕をその真っ黒なブラックボックスに引きずり込んでしまうだろう。

暗く冷たい世界に閉じ込められ、永遠に出てこれなくだろう。

僕は、ますます用心深くなる。

世界へのインプットが減っていく。

世界からのアウトプットが減っていく。

そして僕はますます孤独になっていく。

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