2013年3月14日木曜日

【映画】『人のセックスを笑うな』/写真集みたいな映画だ

久々に邦画をみた。

『人のセックスを笑うな』。

すごいタイトルです。
どんなセックスが繰り広げられるのか楽しみでした。


でも、実際見てみるとタイトルとは裏腹にさわやかな青春映画でした。

すこし、ドキドキするシーンはありましたが。

以下、感想。ネタバレは・・・ たぶんないと思う。でもあるかも。


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写真集のような映画

黒澤明がいってたのか、黒澤明の映画を誰かが評して言ったのが忘れたけど、こんな言葉を思い出した。(うる覚えだし真偽は不明)

”いい映画は、どの瞬間の映像を切り出しても絵画のように美しい”


この映画はまさに、これだなと思った。

どの瞬間を切り取っても、絵画、というより「写真」として成り立つ。

構図がとてもきれいだ。


最近の映画とかテレビドラマって、ハンディを多用してるのが多い。

あれはあれで、臨場感とか雰囲気とか主観的表現とで、いいんだけど、僕なんかは結構疲れるんですよね。

年をとったせいか、画面の動きについていけない。


それに比べて、この映画は、ほとんど固定。


しかもバッチリ構図が決まっている。

綺麗だ。

すごく落ち着く。


素敵な「写真集」をパラパラめくっている。そんな感じの映画でした。


他人の人生を覗き見しているような感覚


この映画は、固定された視点からの映像がほとんどです。

そして、俳優の演技がとても自然です。

カットもすごく長い。

なんとなく、他人の人生を、日常を、じーっと覗き見しているような感覚がしてきます。

セックスって、とても個人的なものなんだと思います。

それに至るまでの経緯や、思いや、人生観や、偶然なんかが凝縮されている。

つまりタイトルの「セックス」という言葉は、その人の日常を象徴しているんだと思います。

この映画は、

「他人の人生(の一部)を見せてあげましょう。
そこには、くだらないことや、おかしなところ、退屈なところ、弱いところもあるでしょう。
でも、みんな切実に生きてるんです。笑ってはいけません。
これは決して他人ごとではないんですよ。
あなただって同じなんです。」


と語りかけてきているような気がします。


天気の良い、土曜の昼下がり頃に見るのがいい


この映画は、素敵なんですが、各カットは長いは動きは少ないわで、少し退屈です。いい意味で。(いい意味で退屈というのはどうなんだろう。ある意味では人生は退屈なもんだと言えるのかもしれないけど)


僕は、夜見たので、とても眠くなりました。

なんとなくこの映画は、明るい時間に、心身ともに元気で、かつ退屈な昼下がり頃に見るのがいい気がしました。


ぽかぽか温かい昼下がりに、この映画を見るなら、たとえ、うとうとしてしまっても、とても気持ちよさそうです。




それにしても

タイトルもそうですが、制作が『「人のセックスを笑うな」制作委員会』っていう名前なのが、笑ってしまいそうになりました。

でも、笑ってはいけません。



おわり

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