久々に邦画をみた。
『人のセックスを笑うな』。
すごいタイトルです。
どんなセックスが繰り広げられるのか楽しみでした。
でも、実際見てみるとタイトルとは裏腹にさわやかな青春映画でした。
すこし、ドキドキするシーンはありましたが。
以下、感想。ネタバレは・・・ たぶんないと思う。でもあるかも。
Happinet(SB)(D) (2011-08-02)
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写真集のような映画
黒澤明がいってたのか、黒澤明の映画を誰かが評して言ったのが忘れたけど、こんな言葉を思い出した。(うる覚えだし真偽は不明)
”いい映画は、どの瞬間の映像を切り出しても絵画のように美しい”
この映画はまさに、これだなと思った。
どの瞬間を切り取っても、絵画、というより「写真」として成り立つ。
構図がとてもきれいだ。
最近の映画とかテレビドラマって、ハンディを多用してるのが多い。
あれはあれで、臨場感とか雰囲気とか主観的表現とで、いいんだけど、僕なんかは結構疲れるんですよね。
年をとったせいか、画面の動きについていけない。
それに比べて、この映画は、ほとんど固定。
しかもバッチリ構図が決まっている。
綺麗だ。
すごく落ち着く。
素敵な「写真集」をパラパラめくっている。そんな感じの映画でした。
他人の人生を覗き見しているような感覚
この映画は、固定された視点からの映像がほとんどです。
そして、俳優の演技がとても自然です。
カットもすごく長い。
なんとなく、他人の人生を、日常を、じーっと覗き見しているような感覚がしてきます。
セックスって、とても個人的なものなんだと思います。
それに至るまでの経緯や、思いや、人生観や、偶然なんかが凝縮されている。
つまりタイトルの「セックス」という言葉は、その人の日常を象徴しているんだと思います。
この映画は、
「他人の人生(の一部)を見せてあげましょう。
そこには、くだらないことや、おかしなところ、退屈なところ、弱いところもあるでしょう。
でも、みんな切実に生きてるんです。笑ってはいけません。
これは決して他人ごとではないんですよ。
あなただって同じなんです。」
と語りかけてきているような気がします。
天気の良い、土曜の昼下がり頃に見るのがいい
この映画は、素敵なんですが、各カットは長いは動きは少ないわで、少し退屈です。いい意味で。(いい意味で退屈というのはどうなんだろう。ある意味では人生は退屈なもんだと言えるのかもしれないけど)
僕は、夜見たので、とても眠くなりました。
なんとなくこの映画は、明るい時間に、心身ともに元気で、かつ退屈な昼下がり頃に見るのがいい気がしました。
ぽかぽか温かい昼下がりに、この映画を見るなら、たとえ、うとうとしてしまっても、とても気持ちよさそうです。
それにしても
タイトルもそうですが、制作が『「人のセックスを笑うな」制作委員会』っていう名前なのが、笑ってしまいそうになりました。
でも、笑ってはいけません。
おわり
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